A:健三さん、ちょっと、お邪魔していいですか。
B:もちろんです。どうぞ、入ってください。
A:・・・・
B:太郎さんはお客さんなんだから、そこからじゃなくて、向こうの入り口から入ってくださいよ。
A:お客さんなんて言われると、調子が狂っちゃうな。
B:今日はどんな用事ですか。娘さんが嫁入りするとか、そんな話?。
A:そんな話ならいいんだけどね。健三さんは五郎さんを知ってるでしょう。五郎さんが我々のゴルフ会に入りたいと言ってきたんだよ。
B:五郎さんを入れると、五郎さんと意見の合わない何人かが会を出て行くよ。
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この会話の中の「入」はどのように読むといいでしょうか。
簡単なようで難しいのが、「入」の読み方です。
実は日本人でも結構間違える問題です。なぜなら、以前は「入る」は「いる」と読んでいて、「はいる」は「這入る」と書いていました。「はいる」は「はいいる」の略なのです。
「返事がないから、無断でずっと這入って、・・・・・」は夏目漱石の「草枕」(1906年)の一節ですが、「はいって」を「這入って」と書いています。(この時代は「入って」は「いって」と読んでいた)
九州の生まれの私は初めて東京に来たとき(1959年)、東京の人が「入る」を「はいる」と発音するのに驚いたものです。(私は「はいって」は「這入って」と書くものと、思っていた)
歴史的な流れもある「入る」ですが、読むときのルールは
1)他動詞の「入れる」は「いれる」と読む
2)自動詞の「入る」は「はいる」と読む
3)自動詞であっても、「入り口」とか「出入り」のような複合語は「いり」と読む です。
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★Kanji with hiragana
A:健三(けんぞう)さん、ちょっと、お邪魔(じゃま)していいですか。
B:もちろんです。どうぞ、入(はい)ってください。
A:・・・・
B:太郎(たろう)さんはお客(きゃく)さんなんだから、そこからじゃなくて、向(む)こうの入(い)り口(ぐち)から入ってくださいよ。
A:お客(きゃく)さんなんて言(い)われると、調子(ちょうし)が狂(くる)っちゃうな。
B:今日(きょう)はどんな用事(ようじ)ですか。娘(むすめ)さんが嫁入(よめい)りするとか、そんな話(はなし)?。
A:そんな話(はなし)ならいいんだけどね。健三(けんぞう)さんは五郎(ごろう)さんを知(し)ってるでしょう。五郎(ごろう)さんが我々(われわれ)のゴルフ会(かい)に入(はい)りたいと言(い)ってきたんだよ。
B:五郎(ごろう)さんを入(い)れると、五郎(ごろう)さんと意見(いけん)の合(あ)わない何人(なんにん)かが会(かい)を出(で)て行(い)くよ。
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この会話(かいわ)の中(なか)の「入」はどのように読(よ)むといいでしょうか。
簡単(かんたん)なようで難(むずか)しいのが、「入」の読(よ)み方(かた)です。
実(じつ)は日本人(にほんじん)でも結構(けっこう)間違(まちが)える問題(もんだい)です。なぜなら、以前(いぜん)は「入る」は「いる」と読(よ)んでいて、「はいる」は「這入る」と書(か)いていました。
「返事(へんじ)がないから、無断(むだん)でずっと這入(はい)って、・・・・・」は夏目(なつめ)漱石(そうせき)の「草枕(くさまくら)」(1906年)の一節(せつ)ですが、「はいって」を「這入って」と書(か)いています。(この時代(じだい)は「入って」は「いって」と読(よ)んでいた)
九州(きゅうしゅう)の生(う)まれの私(わたし)は初(はじ)めて東京(とうきょう)に出(で)たとき(1959年)、東京(とうきょう)の人(ひと)が「入る」を「はいる」と発音(はつおん)するのに驚(おどろ)いたものです。(私(わたし)は「はいって」は「這入って」と書(か)くものと、思(おも)っていた)
歴史的(れきしてき)な流(なが)れもある「入る」ですが、読(よ)むときのルールは
1)他動詞(たどうし)の「入れる」は「いれる」と読む
2)自動詞の「入る」は「はいる」と読む
3)自動詞(じどうし)であっても、「入(い)り口(ぐち)」とか「出入(でい)り」のような複合語(ふくごうご)は「いり」と読(よ)む です。
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★English translation
A: Hey, Kenzo can bother for a minute ?
B: Of course ! Come on in.
A: ….
B: You are a guest Taro – so you shouldn't come in from there, please come in through the entrance on the other side.
A: When call me a guest, it makes feel kind of weird.
B: So what is it today ? Is it about your daughter getting married ?
A: I wish it was something like that. Kenzo, do you know Goro ? Goro came to tell me that he'd like to join our golf club.
B: If we let Goro in, some of the members that do not agree with Goro's opinions will leave the club.
In this conversation, the Kanji 「入」turns up in a few places, and how to read the Kanji is the question.
The correct reading of the Kanji character 「入」 is quite difficult.
To tell the truth, even some Japanese people make mistakes with this. The reason is that before the word 「入る」 used to be read as 'iru' and the verb 'hairu' used to be written with the characters 「這入る」. The word 'hairu' was a short form of the word 'hai-iru'
There is a line in the Grass Pillow, a 1906 novel by Natsume Soseki in which he writes, “There was no answer, so I entered without permission.” He wrote the verb 'enter' using the Kanji characters 「這入って」. ( During this era, the Kanji 「入って」 was always read as 'itte'
For a Kyushu born and bred person like me, when I first when to Tokyo, and this was in 1959, I was so surprised to find the Tokyo-ites pronouncing the Kanji 「入る」 as 'hairu' ( I'd always thought tha the word 'haitte' was always written as 「這入って」).
There is some history behind the readings of 「入る」 and basically the rules of how it is supposed to be read are :-
- The transitive verb 「入れる」 is read as 'ireru'
- The intransitive verb 「入る」 is read as 'hairu'
- Compound words like 「入り口」and 「出入り」are read as 'iri'.
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今週(こんしゅう)の語彙(ごい)
This week's vocabulary
This week's vocabulary
1)嫁入(よめい)り:marriage
2)結構(けっこう):pretty
3)無断(むだん)で:without permission
4)夏目漱石(なつめそうせき):a famous Japanese novelist
5)草枕(くさまくら):夏目漱石の小説 : a famous novel by Natsume Soseki
6)他動詞:transitive verb
7)自動詞:intransitive verb
8)複合語:compound
By MOMII Shigefumi